One Style depot.

ミニマルライフを目指す24歳社会人2年目のヒロシが、ファッション・ライフスタイル・考え等の様々な"style"を綴る雑記ブログ。

【感想:「コンビニ人間」】「普通」を強制する現代社会の気持ち悪さを教えてくれる傑作小説!

これほど面白い小説に僕は出会ったことがない。

月に5冊は本を読む結構な読書家の僕がそう言い切れるほどの傑作小説が、村田沙耶香著の「コンビニ人間」です。

Kindleでなんとなくダウンロードして読んでみただけだったのですが、ここまで心を揺さぶられるとは…

 

www.ponkotsu-hitomishiri.com

 

コンビニ人間とは

f:id:footmuji:20181019205729j:plain

https://www.amazon.co.jp/コンビニ人間-村田-沙耶香/dp/4163906185

「コンビニ人間」は2016年に出版された、村田沙耶香さんによる小説です。第155回芥川賞を受賞しました。

36歳未婚女性、古倉恵子。
大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。
これまで彼氏なし。
オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、
変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、
清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、
毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、
完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、
私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。

ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は
「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。

現代の実存を問い、
正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。

https://www.amazon.co.jp/コンビニ人間-村田-沙耶香/dp/4163906185

主な登場人物

古倉恵子

コンビニバイト歴18年の36歳独身女性。いわゆる社会不適合者。

公園で小鳥が死んでいたことに周りの子どもたちが泣いて悲しんでいる中、「お父さんが好きだから焼き鳥にして食べよう」と言ったり、男子のケンカを止めるのに突然スコップで殴ったりする、「普通ではない」子どもだった。

白羽

恵子が働いているコンビニに入るもすぐに首になった男。「ネット起業する」が口癖。恵子の家に転がりこみ、「ペット」として飼われる。

その他(「普通」の人々)

恵子が18年間コンビニバイトであることや、恋愛経験がないことを心配している妹や友人たち。

 

感想:「普通」であることを強制してくる現代社会の気持ち悪さを教えてくれる傑作

18年間コンビニバイトで恋愛経験のない36歳独身の恵子や、「ネット起業する」が口癖のクズ男の白羽。

この人たちって一見普通ではないです。

でも、そもそも「普通」って何なんでしょうね。

  • 10代~20代のうちに恋愛経験がある
  • 定職についている
  • そこそこの年齢になったら、結婚して子どもがいる…

ステレオタイプ的な「普通」ってこんな感じですかね。

でもこれが欠けているからといって、誰の迷惑もかけていないですし、人として劣っているわけではないのに、なぜか「普通」の人は「普通でない」人を「変なもの」と見なして干渉したり、非難したりします。

皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。私にはそれが迷惑だったし、傲慢で鬱陶しかった。

恵子はこのように言っています。本当にしっくりきました。普通であることが半強制されてしまう世の中、周りと違うというだけで生きづらくなってしまうのです。

この世界は、縄文時代と変わっていないんですよ。ムラのためにならない人間は削除されていく。狩りをしない男に、子どもを産まない女。現代社会だ、個人主義といいながら、ムラに所属しようとしない人間は、干渉され、無理強いされ、最終的にはムラから追放されるんだ。

白羽の言っていることも決して間違っていないですよね。むしろ僕はこの部分読んだときに共感が止まらなかった。

二人として同じ人間なんていないはずなのに、「普通=みんなと同じであること」を強制し、みんなと違う人間に対しては、それを矯正しようとする圧力が働く現代社会。

そして矯正ができなかった「普通ではない人=異物」は排除し、身の回りから消すことで平安を保とうする普通の人々。

むしろ「普通」の人間の方が、汚らしくて気持ち悪いのではないか、そう思ってしまいました。

そして「多様性」や「個人主義」を謳いながらも、異物を排除することを無意識的に認めている社会に対する違和を感じざるを得ませんでした。

結局のところ普通でない人々は、普通の人々に足並みをそろえて、「人生を強姦されながら」生きていくしかないという社会の本質のようなものを僕は感じてしまったのです。

 

あとがき

僕は普段、離職率が低い大きな組織で働いています。

そのためか、職場の人と色々と話していると、周りの人たちはこの場所で生きていくことに違和感を抱いていないように思えるのです。

一方、僕は組織の駒となることに違和感を覚えて仕方ない、組織内においてはいわゆる「少数派」であり、「普通でない」人間。

このような環境で自分が生きていくためには、とりあえず周りの人達と同じようにふるまう必要があるため、自分の本当に思っていることを言うことが躊躇われ、なんとなく「生きづらさ」のようなものを感じていました。

そんな時に読んだ「コンビニ人間」。

自分の生きづらさの正体が書かれていたような気がして衝撃が走りました。

まさにこれこそが人間のリアルな姿、汚さなんだなと。

衝撃的なほど面白く、心に突き刺さること間違いなしなので、読んでみることを超おすすめします。