こんにちは。ヒロシです。
以前、A.P.C.のリジッドデニム(NEW STANDARD)の経年変化についての記事を書きました。

詳しくはこちらの記事を見ていただきたいのですが、 割と綺麗に色が落ちていたと思います。
ただ最近履く機会がかなり少なくなってきたので、自分の断捨離基準に基づいて手放しました。



今回は、色落ちした(経年変化した)A.P.C.のデニムパンツを手放した経験をもとに、経年変化による服の価値について、僕が思ったことを書いていきます。
A.P.C.のデニムパンツを買取査定!
まず、A.P.C.のデニムの買取や査定価格について書いていきます。
買取方法は「ブランド古着」
どうやって売ろうかと迷ったのですが、
- ポケットの内部に小さな穴が空いている
- 客観的にどれくらい価値があるのか知りたい
ということで、今回は近所にある「セカンドストリート」で査定を行ってもらうことに。
メルカリ等のフリマアプリに状態があまり良くないものを出品する場合、その状態が購入者にうまく伝わらないとトラブルに発展する可能性がありますからね。



気になる買取価格は…
定価だと21,600円(税込)のA.P.C.のデニム。(購入時は2万円しなかった気が…)
それがいくらで査定されたかというと…


1,200円!
これが高いと思うか安いと思うかは人それぞれでしょう。
ただ、A.P.C.について一応補足しておくと、
- 日本で人気の高いフランスのブランド
- リジッドデニムは「マックコート」と並ぶ定番かつ名作
ということが言えます。
一般的に、人気ブランドの定番品はシーズンものに比べて値崩れがしにくく、それなりの値段で買い取られます。
でも、このA.P.C.のデニムは1年半ほど履き込んでクリーンな色落ち(経年変化)がしてあるのに、買取価格が定価の20分の1近くまで落ち込みました。
この買取価格を見て僕は思ったのです。
経年変化によって、自分の中での絶対的な服の価値は上がるけれど、相対的には大きく下がるんだな。と
経年変化によって服の価値が下がる理由


僕はバイヤーの経験はありませんが、高く買い取ってもらうための条件として、
- 人気ブランドであること
- 状態が良いこと
の2つがよく言われます。
というのも理由は簡単。
人気ブランドで、かつ良い状態のアイテムは中古市場でも需要が多いから。
需要と供給によって価格が決まるのは資本主義の基本ですね。
前述の通り、A.P.C.は日本でも人気のブランドで、中でも「デニムパンツ」は超定番アイテム。
しかも、僕が買取に出したデニムパンツは程よく色が落ちていて、なかなかクリーンな印象があります。
洗濯もある程度の頻度でしていたので、生地の傷みもあまりなく、決して状態も悪くない。
なのに買取価格は1,200円。
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経年変化は「状態が良い」とは見なされない
この買取価格から僕が思ったのは、
「経年変化」はどんなにカッコよくても、基本的には「経年劣化」と同じに見なされるということです。
よく経年変化する服や革小物が好きな人は言います。
「使っていくうちにどんどん経年変化して、自分に馴染んでくる」
つまり、それを新品で購入した本人にとっては、新品の状態の価値が一番低くて、使っていくうちにどんどん価値が高まるということですね。それが経年変化するアイテムの魅力です。
でも、そこでの「価値」は使っている本人だけのもの。
古着屋などの二次市場や他の人から見たら、新品の時の状態が最も価値があって、使用されるにしたがって価値は下がるんですよね。
自分の中での絶対的な価値は上がっていくけれど、相対的な価値は下がっていくということなのです。
まぁちょっと考えると納得できます。
他人が経年変化させたものを見てカッコいいなとは思うけれど、それを欲しいかと言われると全く思いません。
自分で使って経年変化させてこそ愛着が増し、テンションが上がるのであって、他人が経年変化させたものを見ても、そこに価値は感じませんからね。
「状態が良い」=「新品に近い」
ここまで書いてきたことをまとめると、「状態が良い」というのは、「新品に近い」ということと同義だと考えられます。
例えば、僕が愛用している「Honor gathering」の財布。
約2年の使用でナチュラルなヌメ革の財布が…


劇的に経年変化しました。


僕的には、圧倒的に今の状態の方がカッコよくて価値がありますが、これは新品からは程遠い状態なので、買取をお願いしても非常に安い値段になるでしょう。
「Honor gathering」は2018ssシーズンにブランドが終了しており、もう生産されることがない&根強いファンがいると考慮しても厳しいでしょうね。
まぁ手放す気は全くないのですが。
経年変化は自己満足。でもそこにはロマンがある
上に書いてきたようなことを考えると、「長く愛用して『経年変化』を楽しむ」ことは自己満足なんですよね。
経年変化によってモノの相対的な価値はどんどん落ちていくので。
今までの記事で書いてきた通り、これからの時代は出口戦略も考える(=手放す前提で服を着る)ことが重要です。



そう考えると、使っているうちに新品の状態からかけ離れていく、経年変化するアイテムを持つことはかなり非合理的ですが…
経年変化したアイテムは、リセールバリューなんて関係ないくらいカッコよくて、ロマンがあるから構わない!!
というのが僕の思いです。
経年変化させていく過程が楽しい。
自分で育てたモノを着たり所持したりすることによってテンションが上がる。
ファッションってそういうものだと思います。
たとえ経年変化によって相対的な価値が下がっても、自分の中での価値が上がってテンションが上がった経験があるならそれで良いかなと。
経年変化は自己満足ですが、それによって得られる満足度はプライスレスなんですよね。
経年変化するアイテムを持つ・着ることは、お金では買えない経験を手に入れることができるということ。
経年変化したアイテムは、リセールバリュー(相対的な価値)は下がる一方で、自分の中の絶対的な価値を最大化させてくれます。
経年変化しないアイテムの方がリセールバリューが高いことは分かっていても、「経年変化er」のヒロシは経年変化するアイテムを買いがちです。






最近購入した服はどちらも経年変化するものです。
いずれも、「オーラリー 」等の二次市場でも高値で取引されるアイテムとそう変わらない価格帯のアイテム。
ですが、これらのアイテムはいずれもリセールバリューは期待できないでしょう。
でもそれでも構わないと思って購入しました。
なぜなら、自分のライフスタイルや動作のクセを表現したように経年変化したアイテムが本当にカッコいいのを知っているから。
リセール前提ではないからこそ、自分で育てる物語には究極のロマンがあるのです。
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経年変化アイテム×リセール覚悟のアイテム
経年変化するアイテムは非常に魅力的ですが、全部をそれで揃えるのは現実的ではありません。
となると、リセール覚悟のアイテムと経年変化するアイテムを組み合わせて所有するのが現実的ですね。
コートやニットといったものはリセール前提で大事に着る。
経年変化するアイテムはある意味雑に、自分の好きに着る。
この棲み分けによって、バランスよくファッションを楽しめるのではないでしょうか?
あとがき
A.P.C.のデニムが1,200円だったのはまぁ納得なのですが、なんで「アーバンリサーチ」のコートの方が高いんですかね。
セレオリって意外と需要あるのかな…