こんにちは。ヒロシです。
前回まで波佐見焼、益子焼について紹介したこの「うつわ探訪」シリーズ。




第三回目となる今回は、「笠間焼」について紹介したいと思います。
笠間焼とは
笠間焼は、茨城県笠間市を産地とする陶器です。
江戸時代中頃に久野半右衛門という人が、信楽(滋賀県)の陶工である長右衛門の指導を受け、窯を築いたことが始まりとされています。
藩が焼き物づくりを奨励したことで、笠間焼は盛んに作られるようになったとか。
また、江戸に近いという笠間の地理的なメリットにより、生産量や陶工も増えていき、笠間焼の名が全国的に有名になりました。
その後、プラスチック製の食器等が普及したことで、陶器の需要が落ち込みましたが、官民一体となって笠間焼の伝統は守られ、今なお笠間焼は多くの方に愛されています。
笠間焼と益子焼の関係
前回の益子焼の記事に書いた通り、益子焼の始まりは、笠間で修行した陶工が益子にて窯を築いたことでした。
つまり、「信楽焼⇒笠間焼⇒益子焼」というように、笠間焼と益子焼はともに信楽焼の系譜をたどっているのです。
このことから、信楽焼を「親」に例えて、笠間焼と益子焼は「兄弟」だと言われます。
実際に笠間焼と益子焼では似ているうつわも多く、ヒロシレベルでは見分けのつかないものも少なくありません…
笠間焼の魅力・特徴
笠間焼は、「特徴がないことが特徴」と言われています。
自由な気風
普通、「〇〇焼」と名乗るためには色々な基準があります。色やデザイン、使う原料(土)などなど、産地が定める一定の基準を満たしたものが「〇〇焼」と名乗れるのです。
しかし、笠間焼はその辺の基準が非常にゆるく、極端な話、笠間の土を使っていなくても、笠間で作陶していれば「笠間焼」と名乗れるのです。
その縛りのない自由な気風のおかげで、全国から気鋭の若手作家が集まっており、産地全体の活性化を促していると聞きますね。
笠間で作陶している作家の数は300人以上にも上り、個性的な作品が自由な発想の元で作られています。
多種多様なデザイン
自由な気風のある笠間焼。壺や食器といった伝統的な日用品から、オブジェや置物まで、色々な形の焼き物があります。
また、色やデザインも非常に豊富で多様です。
褐色系の伝統的な焼き物らしいもの(中野明彦)、
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古代都市を思わせるアート調のもの(駒澤博司)、
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アンティーク調のもの(阿部慎太朗)等、
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各作家が様々なテイストの作品を作っているので、お気に入りのうつわが見つかる可能性が高いでしょう。
「特徴がないのが特徴」と言われますが、それは決して没個性ではありません。
全体を印象付ける特徴がないからこそ、作家は自分の感性をもとに自由に創作活動ができ、その中からエッジの効いた個性的な作品が生まれるのです。
笠間焼のおすすめ人気作家3選
笠間焼のおすすめ作家を3名紹介していきます。
上のInstagramを引用した3名の作家(中野さん、駒澤さん、阿部さん)も含め、どの方も個性的でおしゃれな焼き物を作っている方ですので要チェックです。
Keicondo


出典:https://kurumi.life/blog/2016kasamanohimatsuri1/
エチオピア人で陶芸家の父と日本人の母の間に生まれたKeicondoさん。
木目調のイエローが特徴的なうつわですが、意外にも質感はマットな感じ。
どことなく、ルーツのあるアフリカ・エチオピアの大地を連想させる個性的なデザインです。
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Keicondoさんの作る大きめのプレートが非常におしゃれなので、ワンプレートにおかずやサラダ、ごはんを盛り付けて食事を楽しみたいですね。
鯨井円美
僕も持っている鯨井さんのうつわ。僕は飯椀を愛用しています。


鯨井さんの作品は、じんわりとした温かみを感じさせるものばかりで個人的に大好きです。和モダンな感じで本当におしゃれ。
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やや特徴的な形をしたうつわも多いですが、日常に馴染んでくれるようなナチュラルさが印象的ですね。
鯨井さんは笠間の土の表情を出すのが非常に上手い作家さんと言われているので、本当の笠間焼を味わいたいという方におすすめ。
森川泰治
僕が愛用している大皿を作っている森川さん。


写真で見ると、真っ白でシンプルな見た目ですが、実物ではしっかりと表情があるので物足りなさはありません。そこが気に入りました。


底がくぼんでいるのでパスタ皿に最適なんですよね。僕の拙い料理もおいしく感じられます…
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森川さんが作るシックな感じのうつわもおしゃれ。
和食にも洋食にも馴染んでくれそうですし、ちょっと可愛い系のうつわが苦手な男性にもおすすめですね。
笠間焼・益子焼の人気作家の作品が豊富に揃う、表参道「門」
ここで紹介した笠間焼、そして前回紹介した益子焼ですが、産地に行かずとも、東京に品ぞろえ豊富なショップがあります。
それが表参道にある「門」です。
以前に表参道・南青山のおすすめショップの記事を書きましたが、



こちらで紹介した「ネストローブ」から徒歩30秒くらいのところにあります。
土の温もりが感じられるおしゃれなうつわが欲しい!という方は是非覗いてみてください。
あとがき
僕って磁器よりも陶器が好きなんですよね。
磁器の方が軽いし、電子レンジも使えるので扱いは圧倒的に楽なんですけど…
陶器の独特な質感や温かさに惹かれてしまいます。
次は信楽焼や常滑焼あたりが気になりますね…
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